ジャスダックとマザーズ統合による影響は?IPO支援会計士の所感
こんにちは!
今回はジャスダックとマザーズ統合がテーマです。
ジャスダックとマザーズの統合は以前から話題になっていました。
僕も仕事でIPO(新規上場)支援の業務を行うことがありますが、
現状二つに分かれているメリットは感じませんし、
クライアントからも何が違うの?との質問が多いです。
統合すれば分かりやすくなりますし、あまりデメリットもない早く進めた方が良い統合だと考えています。
ジャスダックとマザーズが並列している状況は、これまでの経緯が背景にあります。
東京証券取引所を中心とする日本の証券取引所
そもそも上場会社って何?ってところから簡単に書きます。
現在、東京、名古屋、札幌、福岡に証券取引所があります。
大阪は2013年に東京に統合されています。
この中で断トツの規模を誇るのが、東京証券取引所です。
2017年9月時点で時価総額600兆円を超えています。
これはニューヨーク、ナスダックに次いで世界3位の規模です。
東京証券取引所は、東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダックで構成
東京証券取引所は東証一部、二部、マザーズ、ジャスダックで構成されています。
誰もが知っているような上場企業と言われる会社はほとんどが東証一部、まれに二部の企業です。
東証一部>二部>ジャスダック>マザーズの順で上場審査が厳しいです。
なので、東証一部の会社ってかなり厳しい審査をクリアして上場しています、
上場の効果として多額の資金調達が可能になったり、知名度が上がることによる様々な恩恵が得られます。
マザーズやジャスダックとは何なのか
マザーズもジャスダックも成長企業が集まっている点は共通しています。
どちらも一部や二部と比較すると上場の審査基準は甘くなっています。
例えば、いくつかの成長性を示す基準をクリアできるれば、赤字でも審査クリアできたりします。
マザーズ
東証一部、二部へのステップアップを目指す200社弱の企業が集まっています。
一部や二部に比べると審査基準は甘くなっています。
時価総額4兆円程度。
ジャスダック
革新性、信頼性、地域性・国際性という3つのコンセプトに該当するベンチャー企業が約1,000社が集まっています。
時価総額5兆5千億円程度。
マザーズとジャスダックの違い
違いがあまりわからないと思って頂けたら正解だと思います。
この状況になった背景はジャスダックの設立から東京証券取引所に統合されるまでの経緯があります。
マザーズとジャスダック併存の背景は、ジャスダックの設立以降の沿革を見ればわかる
今は東京証券取引所にあるジャスダックですが元々は違います。
ちょっと複雑なので簡単に書きます。
・店頭市場としてジャスダックは誕生
↓
・株式会社ジャスダック証券取引所になる
↓
・大阪証券取引所に吸収合併される
↓
・大阪証券取引所が東京証券取引所と統合
よって、独立して存在していたジャスダックが段階を経て東証に組み込まれていった経緯があります。
東証にもジャスダックと同様の機能を持つマザーズという市場があったため、
同じ機能を持つ二つの市場が併存することになってしまったわけです。
統合の影響は?
現場レベルでは証券会社、監査法人、コンサル会社どこも、
僕が聞いていたのは早く統合すればいいのにといった意見でした。
メリットは良く言われる内容です。
- 規模が大きくなることによるブランド強化
- 世界でも大規模な新興市場になる
- 海外投資家の流入につながる
- 成長企業にとっても明確でわかりやすい
今回のまとめ
ジャスダックとマザーズは趣旨や考え方は似ている市場で、
併存しているのは東証と大証が統合したことが背景、
早く統合した方がいいよ!というお話でした。